対面でのメンタルコーチングを受けたいアスリートへ:オンラインで結果が出なかった理由とその解決策

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冒頭文

アスリートやスポーツ選手にとって、メンタルの強さは競技成績に直結する重要な要素です。多くの選手がメンタルコーチングを取り入れ、心の鍛錬を行っています。しかし、オンラインでのメンタルコーチングに取り組んだものの、期待した結果が得られなかったと感じる選手も少なくありません。そこで今回は、オンラインでのメンタルコーチングがうまくいかなかった理由と、その解決策として対面でのメンタルコーチングのメリットについて詳しく解説します。

オンラインのメンタルコーチングでは結果が出なかった理由

1. コミュニケーションの難しさ

オンラインでのメンタルコーチングは、画面越しでのやり取りが主になります。この形式では、非言語的なサインやリアルタイムの反応が見逃されがちです。コーチは選手の微妙な表情や身体の動きからも多くの情報を得るため、これらが見えないことでコミュニケーションが制限され、効果的な指導が難しくなります。

2. 環境や集中力の問題

自宅やジムなど、オンラインセッションを行う環境によっては、集中力を欠いたり、リラックスできなかったりすることがあります。家族やペットの存在、周囲の騒音などが集中を妨げ、コーチングの効果を減少させることがあるのです。

3. コーチとの距離感

オンラインでは、物理的な距離が感情的な距離感を生み出しがちです。対面でのセッションに比べ、信頼関係の構築が難しくなることがあります。コーチとの信頼関係は、メンタルコーチングの効果を左右する重要な要素です。

メンタルトレーニングではメンタルコーチング以上の結果が生み出せない理由

メンタルコーチと称しながら、メンタルトレーニングの内容を伝えるケースが起きています。一般社団法人日本スポーツメンタルコーチ協会が認定するスポーツメンタルコーチは基本的に知識やノウハウだけを伝えるメンタルトレーニングではなく、相手の心の足枷になっているブレーキを緩めるために傾聴を大事にしています。その上で、メンタルトレーニングとメンタルコーチングの違いを説明しつつ、結果が出ない理由をお伝えします。

1. 方法論の違い

メンタルトレーニングは、一般的に固定されたプログラムやテクニックに基づいて行われます。これに対してメンタルコーチングは、選手一人ひとりの状況やニーズに応じた柔軟なアプローチを取ります。個別対応が可能なメンタルコーチングの方が、より具体的で効果的なサポートを提供できます。

2. パーソナライズの不足

メンタルトレーニングは標準化された手法が多く、個々の選手の具体的な状況や課題に対応しきれないことがあります。メンタルコーチングでは、選手の個々のニーズに合わせたカスタマイズが行われ、より適切なサポートが提供されます。

3. フィードバックの即時性

メンタルトレーニングは自己学習や独学で行われることが多いため、リアルタイムでのフィードバックやサポートが得られにくいです。対照的に、メンタルコーチングでは、コーチからの即時のフィードバックが受けられ、迅速な改善が可能です。

対面でのメンタルコーチングが有効な理由

便利な世の中になったからこそ、失われつつあるのが直接あって話をする時間だと思っています。そして、便利さがゆえに本来効果があるものも、効果を発揮しないことがあります。だからこそ、一般社団法人日本スポーツメンタルコーチ協会では対面でのメンタルコーチングを重要視しております。

対面でのメンタルコーチングでは、コーチは選手の表情や態度、身体の動きなど、非言語的なサインを直接観察できます。これにより、選手の心の状態をより正確に理解し、的確なアドバイスを提供することが可能です。

非言語コミュニケーションが重要である理由

1. 感情の表現と認識

心理学者ポール・エクマンの研究によれば、感情の大部分は非言語的に表現されます。エクマンは、表情が感情を伝える重要な手段であることを示しました。例えば、喜び、悲しみ、怒り、驚きなどの基本的な感情は、顔の表情や身体の動きで直感的に理解できます。これにより、言葉にしなくても感情を正確に伝えたり、受け取ったりすることができるのです。

2. 信頼性の確認

心理学的には、非言語コミュニケーションは信頼性を確認するための重要な手段とされています。メラビアンの法則によると、コミュニケーションにおいて感情や信頼感を伝える際、言葉(7%)、声のトーンや話し方(38%)、そして非言語的な要素(55%)の比率が示されています。言葉の内容だけでなく、ボディランゲージや顔の表情が一貫していることが信頼感を築く鍵となります。

3. 意図や態度の伝達

非言語コミュニケーションは、意図や態度を伝える際に重要です。たとえば、身体の姿勢、アイコンタクト、手振りなどは、言葉では表現しきれない微妙なニュアンスや感情を伝えるのに役立ちます。心理学的には、これらの非言語的なシグナルは、相手が自分の意図や態度を理解するための手助けをします。

4. 文化的背景と共感

非言語コミュニケーションは文化的背景によって異なることがありますが、それにより異なる文化の理解や共感が生まれることがあります。たとえば、異なる文化では、手振りや身体の距離感が異なるため、対面でのコミュニケーションでは相手の文化的背景を理解することが重要です。心理学的には、相手の文化や価値観を理解し、共感を示すことで、より効果的なコミュニケーションが可能になります。

5. コンテキストの理解

非言語コミュニケーションは、言葉の文脈を理解するための補助的な役割を果たします。言葉だけでは伝わらない感情や意図、状況の背景を、ボディランゲージや表情から読み取ることができます。心理学的には、言葉と非言語的なサインを総合的に解釈することで、コミュニケーションの正確さが増し、誤解を減らすことができます。

対面でのメンタルコーチングを受ける際のメリット

1. 個別対応の細やかさ

対面では、選手一人ひとりのニーズに合わせた細やかな対応が可能です。個々の状況に応じたカスタマイズされたプランが提供され、選手の成長を最大限に引き出します。特に、メンタル面においては、個人が抱える問題は人それぞれです。ある選手は、身体的な問題を抱えることもあるのでその点をサポートすることも可能になります。

2. 実際の状況を見ながらのアプローチ

コーチは現場の状況を直接観察しながら指導を行うことができます。これにより、選手が実際にどのような環境でプレーしているのかを理解し、その状況に即したアドバイスを提供することができます。表情、言葉の重み、さらには、選手を取り巻く環境は映像だけでは確認できません。

3. 直接的な支援と励まし

対面では、コーチが選手を直接支援し、励ますことができます。物理的な存在感が、選手のモチベーションを高め、心理的な支えとなります。いくらオンラインで励ましても、言葉の重みは全く違ってきます。技術指導をオンラインでできないように、メンタル面も同じことがいえます。

まとめ

オンラインでのメンタルコーチングで結果が出なかったアスリートやスポーツ選手には、対面でのメンタルコーチングを強くおすすめします。対面コーチングの利点を理解し、メンタルの強化に取り組むことで、競技成績の向上を目指しましょう。対面でのコーチングは、選手個々のニーズに応じたきめ細やかなサポートを提供し、信頼関係の構築や即時のフィードバックによって、より効果的な結果を生み出すことが期待できます。

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