はじめに
スポーツメンタルコーチとしての「プロ意識」や「成長の在り方」、そして当協会が運営する資格講座の進化と背景にある想いについて綴られせていただきました。
当協会では資格講座を通じてアスリートのメンタルを支えるスポーツメンタルコーチの普及を行っております。
その第22期が開催されております。資格講座を通じて印象的だったのは、「時代に合わせて、学びも在り方も変化させていく必要性」が繰り返し語られたことです。
その中には、単なる技術の習得だけでなく、“考え続ける姿勢”を持つプロフェッショナルの育成という明確なメッセージが込められていました。
資格講座の進化とブラッシュアップの裏側
当協会の資格講座は、ただの座学や理論の詰め込みではありません。「現場で本当に使える」ことにこだわり、毎年講座内容をブラッシュアップしています。
実際の現場での課題
・アスリートやコーチからのフィードバック
・社会やスポーツ界のトレンドの変化
こうした情報を丁寧に収集・分析しながら、受講者が常に“今必要とされている力”を身につけられるよう、講座設計を見直しています。
🔄 ブラッシュアップの例
・心理学の最新知見を取り入れたサポート法の追加
・Z世代アスリートへのコミュニケーションスタイルの見直し
・ケーススタディや実践ロールプレイの充実 など
学んだその日から「現場で試してみたい!」と思えるような内容にこだわることで、受講者自身の学びが“知識”で終わらず“行動”につながる講座を目指しています。
プロフェッショナルとしての意識と成長
講義の中で、特に心に残ったのは、以下の言葉です。
「プロのスポーツメンタルコーチとして、プロ意識として求められることは、答えが一つではないということに、しっかりと自分自身が腑に落として理解できるか。そしてそのために常に考え続けることができるかどうか。」
—— 鈴木颯人
この言葉が示すように、プロフェッショナルとは「決まった型に当てはめる人」ではなく、「答えがない状況でも、選手にとって最善を探し続けられる人」であるということ。
つまり、知識や資格よりも、自らの在り方や思考力こそが最も重要であるというメッセージです。
そのため、当協会の講座では「自分はなぜこの仕事をするのか」「どんなアスリートとどんな未来をつくりたいのか」といった目的意識を深く掘り下げる時間を大切にしています。
この“軸”がなければ、たとえスキルを身につけても現場で揺らいでしまうからです。
SNS時代における“プロ意識”の再定義
SNSの普及により、スポーツメンタルコーチという肩書を持つ人の数は年々増えています。同時に、「影響力」や「見せ方」が注目されるようになり、本質を見失ってしまうケースも見受けられるようになりました。
たとえば:
・フォロワー数が多い=良いコーチ
・資格を持っている=信頼できる専門家
といった“見かけの印象”だけで評価される場面も増えてきました。
しかし、私たちが育成を目指すのは、**数字ではなくアスリートに寄り添える“本物のプロフェッショナル”**です。
SNSを活用することは悪いことではありません。むしろ自己表現や情報発信の武器として、大切な手段です。だからこそ、数字や見せ方だけに振り回されず、本質を問い直すプロ意識を持つことが求められています。
想いを引き継げる人材を育てるために
資格講座の目的は、スキルや知識の習得だけではありません。スポーツメンタルコーチという職業に誇りを持ち、自分の想いを次世代に引き継いでいける人材を育てることにあります。
・本気でアスリートに貢献したい
・メンタルの力でスポーツの可能性を広げたい
・自分らしく、長くこの仕事を続けていきたい
そんな熱い想いを持った方々が、環境に左右されずに“自ら考えて成長し続けられる”プロフェッショナルになること。それが、私たち協会の願いであり、資格講座の最も重要な目的でもあります。
おわりに
今回の資格講座を通じて、あらためて感じたのは、スポーツメンタルコーチという仕事の“本質”は、「思考し続ける姿勢」にあるということでした。
変化の激しいスポーツ界において、過去の成功体験や一つの正解にとらわれず、常に「今、この選手のためにできる最善は何か?」を問い続ける——
そんなプロフェッショナルが、これからの時代に求められています。
私たち一般社団法人日本スポーツメンタルコーチ協会は、これからも本物のプロフェッショナルを育てる講座づくりと、学びを実践につなげる支援に力を注いでまいります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。