決断に迷っているアスリートへ

スポーツメンタルコーチ、石井 大樹のブログ
決断に迷ってしまうアスリート

決断できないのは、どうしてなのか?

「どちらか選べない…」

「どうすればいいのか迷っている…」

人生に関わる大きな決断から、日々の小さな決断まで、

一度はこのように決断に迷った経験があるかと思います。

私自身も今までの競技人生を振り返っても、

「どちらか選び難い…」

「どうしよう…」

そんな気持ちから、決断できずにいることが多かった人間の一人でした。

特に大学でのアメフト経験では、本当に決断できず、迷ってしまうことばかりでした。

そんな過去を持つ私も、今ではスポーツメンタルコーチとして、

当時の経験を生かし、悩みを持つアスリートをサポートさせて頂いています。

様々なアスリートと接する中で、

「どうするべきなのか、迷ってます…」

「どうすればいいと思いますか…?」

そんな風に相談されることもしばしば。

「結果を出したい」

「活躍したい」

だからこそ、より良い選択をしたい。

そんな「間違った決断をしたくないアスリート 」を見てきました。

実際に、以前サポートしていたアマチュアのサッカー選手の方がいます。

その選手は海外で活躍するのが夢です。

だからこそ、早く海外に行って経験を積み、試合に出場することを目標としていました。

しかし、深く考えてみると、

「今行かない方がいいのかもしれない…」

「もっと準備してからの方がいいのか…?」

考えすぎる中で、決断に迷いが生まれ始めました。

「どうすることが夢を叶えるために最短なのか?」

「自分はどうするべきなのか…?」

真剣に考えていたからこそ、最後まで悩んでいました。

結果的には、海外に渡り、経験を積むという決断となりましたが、

それがその選手にとって正解だったのかどうかは、本人の感じ方次第です。

つまり、行動して振り返ってみて、あとから正解だったかどうかがわかるということ。

この出来事から、私が伝えたいのは、

「人は無意識に“正解を探してしまう生き物”である」

ということです。

「目標を達成するにはどの決断が正解なんだ…?」

「目の前の選択を間違えたくない…!」

決断に迷うのは、正解を探しているからかもしれません。

しかし、よくよく考えてみて欲しいのです。

目の前の決断に「正解」というものは本当にあるのでしょうか?

後から振り返ってみて、結果的に当時の決断が良かったのか、悪かったのかが分かるだけで、

決断する時にどっちが正解なのか、わかっていることなんて非常に稀です。

ましてや、人の人生の選択とは「1+1=2」のような簡単な数式では測定できないものです。

だからこそ、決断に迷ってしまうアスリートの皆さんには、

「正解はあるのだろうか?」

そんな風に疑問を持てるようになって欲しいと思います。

目次

決断できないことでチームが崩壊しかけた大学アメフト4年目

かくいう私も、決断できず、悩んでばかりの人間でした。

大学アメフト4年目のラストイヤー。

私はチームの副キャプテンとしてチームをまとめる立場として、

チームの方針を決定づける役割も担っていました。

当時は、2年前に数十年ぶりに2部リーグに降格。

もともと部員数も少なく、外部のコーチに来てもらうのもギリギリの状態。

選手主体となって、様々なことを決めていく必要がありました。

「選手主体」と言えば、聞こえはいいですが、

右も左も分からない中で、チームの方針を決めていくことは予想以上に精神に負担をかけるものでした。

何より、当時の私は「決断できない副キャプテン」でした。

チームを引っ張り、方針を示し、率先して行動していく。

そのために必要な「決断力」が私には圧倒的に欠けていました。

そんな人間が上に立つと、どうなるのか?

当然、全てのスピード感が遅く、決まるものが決まらないため、

・監督、コーチからのダメ出し

・下級生からの反感の声

こんな事態を招くことに繋がってしまいました。

「決めなきゃいけないのはわかってる…」

そう思いながらも、なかなか決断することができない日々。

その影響は、チームの運営だけでなく、

・チーム内の人間関係

・自分のプレー

いろんな場面に影響するようになっていました。

そして特に当時の私は、勝つために

「やらないことを決めること」が全くと言っていいほど決断できていませんでした。

その結果…

・練習の強度が高すぎる

・練習時間が長くなる

・ケガをする選手が増える

シーズンインした後は試合が毎週ある中で、

練習の強度が上がっていく一方だとどうなるか?

回復が追いつかずに、ケガに繋がります。

ましてや、ただでさえ部員数の少ないチームで、ケガをする選手が増えることで

シーズン後半を戦っていくことがかなり厳しくなってしまいます。

私の決断力の低さが、どんどんチームを非効率な方向へ進めてしまっていました。

どうしてそんなにも決断できなかったのか?

当時の私は、とにかく「間違えたくない」と強く思っていました。

・練習は少ないより多い方がいいに決まってる

・もし決断を間違えて目標を達成できなかったらどうしよう…

そんな強迫観念とも言えるような気持ちで毎日を過ごしていました。

決断を間違えてしまうかもしれない…それがとにかく怖かったんです。

間違える怖さのあまり、決断をせずに後回しにすることすらありました。

何の解決にもならないことが分かっていても、間違えてしまうことの方がずっと怖かったんです。

そんな状態ではチームが上向きになるわけもなく、

気付けば私はチームから孤立していました。

グラウンドには何人もいるのに、孤独を感じたことを今でも覚えています。

正解は一つじゃない、人の数だけ存在する

・間違えてしまう怖さから決断できない

・その影響でチームに迷惑をかける

そんな状態のままリーグ後半戦に進むことに。

当時をリアルに振り返ってみると、本当に全てを投げ出したい気持ちでした。

何もかも投げ捨てて早く楽になりたいとさえ思っていました。

ある日、たまたま練習に顔を出してくれた学年が一つ上の前年度の副キャプテンだった

「Kさん」が練習に顔を出してくれました。

その日の帰り道に相談してみると、

「自分だけのチームじゃないでしょ?」

「アメフトって何人でやるスポーツだと思う?」

当たり前のことを、当たり前すぎて忘れていたことに気付きました。

アメフトというスポーツは「11人」でやるスポーツです。

他の競技と大きく違うところは、試合中に

・何回でも

・何人でも

交代が許されることです。

一度交代した選手も再びフィールドに戻ることができます。

つまり、アメフトはフィールド上には11人が出るスポーツですが、

「11人だけ」で戦っているわけではなく、

「全員が11人として戦う」スポーツだったのです。

本当の意味で、チーム全体で戦っているスポーツなんだと、Kさんの言葉で気付くことができました。

今までの私は、全てを自分で決断しようとしていました。

自分の気持ちを相談することもありませんでした。

全部を一人で抱え込んで、自分だけで決めて解決しようとしていました。

さらに言えば、私の中での正解が、他の人にとってもそうだとは限りません。

数式のように、綺麗に答えが決まっているものでもありません。

正解は一つじゃなく、人の数だけあるのだと思えるようになってからは、

少しずつではありますが、周りの仲間を頼ったり人に相談することができるようになっていきました。

そこから、チームはシーズン後半から調子を上げていくことができ、

最終的にはリーグ戦を勝ち越して引退することができました。

決して満足のいく結果ではありませんでしたが、

納得はできたと思えます。

確かに、辛く、苦しい思いや経験もしました。

しかし、そんな現役時代にたくさん悩んだ経験があったからこそ、

今の自分が存在し、アスリートを支える原動力になっていると感じています。

ただ、もし…もしも当時の自分の隣に

「もっと早く自分に気付きを与えてくれる存在がいたら…」

「苦しい時、一緒に考えてくれる存在がいてくれたら…」

自分のアメフト人生はもっと違うものになっていたかもしれない…

そんな風に今でも思います。

答えはすでに出ている、あとは心の声に耳を傾けるだけ

「決断できない…迷ってしまう…」

そんな方に伝えたいことは、

“正解は一つじゃない”

ということです。

この四字熟語をご存知でしょうか?

「十人十色」

この言葉は、考え、好み、性質などは人によってそれぞれ違うという意味です。

10人いれば、10人違うんです。

だからこそ、今あなたの頭にある正解以外にも、きっと道を切り開けるような答えがあるはずです。

いろんな正解がある、その中で試行錯誤しながらチャレンジしていくことが大切なんです。

だからこそ、迷い続けることに時間を割くことよりも、

決断して、間違えながらもトライし続ける姿勢が必要なんです。

正解は一つじゃない。

間違えても終わりじゃない。

心からそう考えることができたら、どんな素敵な変化があるでしょうか?

自分の内側と1人で向き合うのは、本当に勇気が必要です。

だからこそ、

「今より少しでも成長したい!」

「上手くなりたい!」

「もっと競技に集中したい!」

そんなアスリートに寄り添い、アスリートが求めるビジョンに向かい一緒に走る。

そういう存在でありたいと思っていますし、

それを信念として、今も選手のサポートに携わっています。

もしこの記事を読んでくれているあなたが、

「決断できずに迷ってしまっている…」

「自分なりの正解を見つけられない…」

そんな思いを抱えているのなら、是非、私の体験コーチングを受けてみて下さい!

今回も最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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