スポーツメンタルコーチ、石井 大樹のブログ
格下相手だといつも通りの自分が出せないアスリートへ
格下に逆転負けを喫した中学ソフトテニス3年目
皆さんは、
「格下相手だといつも通りの力が出せない…」
「格下なのに負けたらどうしよう…」
そんな気持ちを感じたことはありませんか?
格上相手なら思いっきりいける。
なんなら、いつもより調子がいいことすらある。
しかし格下相手になると途端にいつもの自分じゃなくなる。
負けたらどうしよう…という気持ちが次々に襲ってくる。
「格下相手に負けたら周りになんて言われるだろう…」
「いつも通りの自分の力が全く出せない…」
徐々にそんな感情に埋め尽くされていく…。
そのように思い悩んだことはありませんか?
私自身、中学時代に格下相手に「逆転負け」を経験し、格下への苦手意識を持っていた時期があります。
「この相手に負けたらどうしよう…」
格下が相手になると、そんな気持ちが頭を覆い尽くしました。
手汗をかき、ラケットが握りづらくなったり、いつも以上に緊張してしまうほどでした。
中学ソフトテニス3年目。
私は1年生の途中からソフトテニス部に入部しました。
みんなに追いつこうと必死で練習した結果、中学3年になる頃にはレギュラーとして
試合に出ることができていました。
途中入部ではなく、最初から入部すればよかったと何度も後悔したこともありましたが、
途中入部からレギュラーの座を勝ち取ったことは自分の中でも自信になっていました。
「今年こそ県大会で良い成績を残したい」
そんな前向きな気持ちで中学最後の年がスタートしました。
しかし、そんな矢先にある出来事から歯車が狂い始めます。
「まさかの格下の相手に大逆転負け」
春に開催される地区大会での個人戦に出場した時です。
私がいた学校の地区は、かなりの激戦区で強豪校が集中していました。
なので地区大会でのベスト4が市大会のベスト4と同じくらいの意味を持っていました。
しかし1回戦の相手は聞いたこともないような学校が相手。
「まあいけるだろう!絶対勝つ!」
「この地区大会でベスト4には絶対に入りたい」
そんな気持ちで試合が始まり、最終セットまでは相手を圧倒していました。
あと1セット取れば、2回戦に進める。
そして最終セットで事件が起きました。
・普段ならありえないほどの連続ミス
・連続ミスによるペアとの雰囲気が最悪に
中学ソフトテニスは基本的に「ダブルス」です。
つまり2人1組で戦います。
まさかの自分達の自滅で、お互いあと1セット取れば勝ちというところまで逆転を許してしまいました。
この時のペアとの雰囲気は今でも覚えているほど最悪でした。
「ボコボコにしてたのにどれだけ逆転されるんだよ…」
「さすがにこれで負けたら笑えない…」
そんな最悪の雰囲気で最終セットが始まりました。
勝ちたい、この先に進みたいはずなのに、その気持ちとは裏腹に入らないサーブ。
止まらない自分のミスとペアのミス。
お互いのミスに苛立ちを隠せず、雰囲気はますます悪くなっていきます。
結果、まさかの無名の格下相手に「大逆転負け」
今まで良い調子でプレーできていたからこそ、
何が起こったのか自分でも理解できていませんでした。
自分で起きた現実を受け入れられず、お互いのミスをなすり付けあい、
しばらくペアとの関係も最悪な状態でした。
「聞いたこともない格下に負けた…」
「あれだけリードしてて逆転された…」
気付けば、「格下相手への苦手意識」を持ってしまっていました。
・格下相手に負けたらダサい
・格下相手を圧倒できないと恥ずかしい
だからこそ、
「聞いたこともないような格下とは戦いたくない」
「自分達より格上の相手ならミスをしても言い訳ができる」
そんな風に考えるようになっていました。
目標に向かって、前向きな気持ちでスタートを切ったはずが、
気付けば、格下相手に苦手意識を持ち、格上相手に言い訳をする自分がいました。
県大会で良い成績を残すという目標も、気付けば忘れてしまっていました。
過去の実績ではなく「目の前の勝負」が勝敗を決める
「格下相手に負けたら恥ずかしいしダサい」
「強豪校の有名な選手に負けても相手が上手いから仕方ない」
そんなどうしようもない考え方をする自分になってしまってました。
今の自分が「一番ダサい」ことにも気付いてませんでした。
しかし、とある意外な出来事から少しずつ自分が変化していくのを感じます。
当時、私が所属していたソフトテニス部の顧問の先生は、担当教科が国語でした。
なので国語の授業の時は顧問の先生が授業をします。
これがなかなかの緊張感。
ある日、国語の授業で好きな四字熟語について調べてまとめてくるという宿題が出ました。
当時の私は本当に勉強に対して不真面目でしたが、顧問の先生の科目です。
ここでやらかすと部活の時に何を言われるかわからないぞと思った私は宿題に真面目に取り掛かりました。
そこでたまたま選んだ四字熟語に対して、顧問の先生からこう言われます。
「良い言葉を選んできたな!」
「今のお前にぴったりの言葉じゃないか?」
その選んだ四字熟語が「一意専心」という言葉です。
「一意専心」とは、
他に心を動かされず、ひたすら一つのことに心を集中するという意味があります。
「一意」は、一途に一つに心を注ぐこと。
「専心」は、心を一つのことに集中すること。
それぞれこういった意味があります。
まさに自分にぴったりな言葉だと後から気付きました。
学校の宿題で色々調べ、授業でみんなに向かって発表し、顧問の先生に褒められたのもあり、
「一意専心」という言葉に妙な愛着が湧いていました。
当時、部活でペアを組んでいたMくんにも、先生に褒められたことを自慢しがてら
「一意専心」の意味を伝えると、
「それ俺らの目標にしようぜ」
そんな風に言われました。
四字熟語ってなんだかカッコいいし覚えやすいと思ってた私たちは
その日から「一意専心」を目標にしてひたすら練習に励みました。
・サーブを打つ前に「一意専心」と口にする
・相手がサーブを打つ前に「一意専心」と口にする
とにかくペアのMくんと目標を口に出し続けました。
最初は周りから笑われたりしましたが、徐々に私たちの内面に変化が現れ始めました。
「とにかく目の前の一球に集中できる」
「自分の動きに集中できる」
そこから良い変化はプレーにも現れ始め、
「サーブが面白いくらい入る」
「自分達のミスによる失点が大幅に減る」
そういった変化を実感できるように。
少しずつではありますが、
「格下相手」の苦手意識も、自然と感じなくなっていきました。
その結果、
「格下相手にストレート勝ち」
「強豪校の2番手という格上相手に接戦で勝利」
あれだけ格下相手に感じていた苦手意識もいつの間にか消え、
以前ならミスしても言い訳をしていた格上相手との試合すらも勝てるように。
気付けば、言い訳せず目の前のことに集中するメンタルを手に入れることができていました。
確かに、苦しい思いや大変な経験もしました。
しかし、そんな現役時代に本気で悩んだ経験があったからこそ、
今の自分が存在し、アスリートを支える原動力になっていると感じています。
ただ、もし…もしも当時の自分の隣に
「もっと早く自分に気付きを与えてくれる存在がいたら…」
「苦しい時、一緒に考えてくれる存在がいてくれたら…」
自分のテニス人生はもっと違うものになっていたかもしれない…
そんな風に今でも思います。
過去の実績というフィルターを外し、この瞬間に集中する
「格下相手だといつも通りの力を発揮できない…」
「負けたらどうしよう…という不安が消えない」
そんな選手も実際にいます。
普段通りにやれば、勝てるのに…。
それが試合になるとできなくなる…。
本当に悔しいですよね。
だからこそ、相手のことを「過去の実績」というフィルター越しに見るのをやめたいんです。
・相手は自分より実績をない選手
・相手はまだ優勝を経験したことがない選手
それは目の前の勝負において関係ないことです。
勝負とは、実績がある人が勝つのでしょうか?
違いますよね。
勝った人こそが実績を積んでいくんです。
順番が逆なんです。
つまり、強い方が勝つのではなく
「勝った方が強い」ということ。
目の前の勝負に心から集中するためにも、
フラットな心で向き合えたらどうでしょうか?
ここまでに綴った過去を持つからこそ、今ではスポーツメンタルコーチとして、
当時の経験を生かし、悩みを持つアスリートをサポートさせて頂いています。
様々なアスリートと接する中で、
「格下相手だといつも通りできないんです…」
「格下相手に負けたらどうしようって考えてしまう…」
実際にこのような相談を受けることもあります。
そんな「格下相手にいつも通りできないアスリート」を実際に見てきました。
実際にサポートしている、とある競技で活躍している高校生アスリートの話です。
この選手は中学時代は圧倒的な結果を残してきました。
「天才」と評され、メディアにも出演するほど。
しかし、高校に進学してからは勝てない日々が続きます。
「自分の方がうまかったのにどんどん抜かされていく…」
「自分より格下の選手に勝てなくなってる…」
そんなところから私とのメンタルコーチングがスタート。
話を深く掘り下げていくと、
「相手のことをこの人は自分より上手い、この人は下手って決めつけてる」
そんな思いを語ってくれました。
この選手は今まで自分が勝ち続けてきたからこそ、
心のどこかで「実績」で相手のことを見ていたんです。
「過去の実績は勝負に関係あるのか?」
「上手いから絶対勝てるのか?下手だったら絶対負けるのか?」
「決めつけてることに気付いたことで、どんな良い成長があるのか?」
自分のパフォーマンスにブレーキをかけてる思い込みについて、
じっくり向き合っていきました。
その結果、
「過去の実績や対戦相手への見方」を克服し、
「自分が勝てないのは純粋に実力が足りないから」
「今は相手の方が僕より上手い」
「認めたくない事実を受け入れる強さ」を手にすることが出来ました。
先日の全日本大会でも、
以前なら全国から集まった選手を品定めして、自分と比べて調子に波が出ていたところを
目の前のプレーに集中し、やるべきことを徹底したことで
見事「全日本優勝」という結果をおさめることができました!
そんな素晴らしい変化を現在進行形で、隣で見守っている最中です。
この出来事から、私が伝えたいのは、
「勝負に実績は関係ない」
ということです。
多くの人は、戦う相手がどんな実績を出してきたのかを気にしすぎるあまり、
「過去の実績」というフィルターを通して相手を見てしまいます。
これを心理学では「バイアス(認識の偏り)」とも言いますが、
相手を極端に強いであろうと想像したり、
極端に弱いであろうと想像したり、偏った認識で相手を見てしまいます。
だからこそ、
「過去の実績は勝負に関係ない」
「ただ目の前のことに集中するだけ」
そんなメンタリティを持つ自分になれたら、どんな良い変化があるでしょうか?
自分の持つ力を最大限発揮することで自ずと結果はついてくる
「格下相手だといつも通りできない…」
「もし格下に負けたらどうしよう…」
そう思ってしまう方に伝えたいことは、
“コントロールできるのは自分がベストを尽くすかどうかだけ”
ということです。
もちろん勝負とは、相手がいて初めて成り立ちます。
だからこそ、勝者がいる一方で敗者が必ず存在します。
相手がいる以上、結果はコントロールできないですし、
相手そのものをコントロールするなんて絶対に不可能です。
だからこそ、自分がコントロールできることは
「目の前の勝負にベストを尽くしてるかどうか」
ただそれだけなんです。
だからこそ、
常に客観的に、フラットな目線を持つ必要があります。
そのために「過去の実績で相手を見ることをやめること」が重要なんです。
「目の前の勝負と相手に集中する」
心からそう思うことができたら、どんな素晴らしい変化があるでしょうか?
過去の私自身がそうだったように、自分の内側と1人で向き合うのは、本当に勇気が必要です。
さらに言えば、私自身が大きく変わっていけた大きな理由の一つが
「顧問の先生と、言葉との出会い」です。
先生との出会いによって、言葉を知って弱い部分を見つめ直し、向き合うことが出来ました。
目の前に集中するメンタルを身につけることが出来ました。
つまり、「誰と出会うかで人生は大きく変わる」ということなんです。
だからこそ、
「今より少しでも成長したい!」
「上手くなりたい!」
「もっと競技に集中したい!」
そんなアスリートに寄り添い、アスリートが求めるビジョンに向かい一緒に走る。
そういう存在でありたいと思っていますし、
それを信念として、今も選手のサポートに携わっています。
もしこの記事を読んでくれているあなたが、
「格下相手だといつも通りできない…」
「格下相手だと負けたらどうしようって考えちゃう…」
そんな思いを抱えているのなら、是非、私の体験コーチングを受けてみて下さい!
実際に体験コーチングを受けてくれたアスリートたちからは、このような感想を頂いてます。
「出来ていないところばかり見て改善するのではなく、出来ているところに注目してもっと伸ばしていこうと思った」
「出来ていないところばかりを見ていたが、自分だから出来ているところに注目することによって、自信が持てるようになった。」
「自分に合ったやり方があることに気付けたし、そこに寄り添ってくれるから本当に安心できた」
このような心の変化を感じて頂いてます!
中には、関東をなかなか通れない実力だった選手が
先日の全日本大会で「7位入賞」という結果に繋がりました!
もしこのような気持ちで競技に集中することができたら、いかがでしょうか?
自分一人では気付けないことを一緒に見つめ直す存在がいたら、どんな良い変化が起こりそうでしょうか?
一人で抱え込まず、まずは相談してみませんか?
「誰と出会うか」で人生は変わっていきます。
ぜひあなたからのご連絡お待ちしています。
今回も最後までお読み頂き、ありがとうございました^^