スポーツメンタルコーチ、増田 良子のブログ
子どもの結果がなかなか出ない時
頑張っているのに我が子の結果がなかなか出ない時
同じ屋根の下で暮らしていると、自分の子どもがどれだけ頑張っているか、ハッキリ見えますよね。
頑張っていることを知っている分、なかなか結果がついてこない時は、なんとももどかしいし、親としても何とかしてあげたい気持ちになるものです。
だからといって、親が代わりにどうにかできるものではないところがまた悩ましいんですよね。
一生懸命頑張っている分、結果が出ない場面に遭遇する度に落ち込む姿を見ていると、心苦しくなります。
というわけで、今回は結果がなかなか出ない時のことについてお伝えしていきたいと思います。
■幼少期
幼いころは、幼ければ幼いほど、月齢差や発達の個人差があります。
同じように何かに取り組んでいても、大きな差が出ることもあります。
親が気にするほど、子どもが気にしていないのが、この時期です。
幼少期は、結果を出すことよりも「楽しめているかどうか」をしっかり見極めてください。
親が習い事やスポーツをやらせたくて、子どもの意志を尊重せずに「やらせる」と、心の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
幼くても、親がやらせたいことを子どもがやりたくないということもあります。
親としては「やってみないとわからないから一度やってごらん」と連れていくことになりますが、子どもは無理矢理連れてこられたことで、ますますその場が嫌いになります。
実際に私の周りにも、子どもはひたすら嫌がっていたものの、「とりあえず3回は行ってみよう」と連れて行かれて、一過性のチック症を発症してしまった子がいました。
まだ自分で何をやりたいのかどうかを選択するほど、物事を知らない子どもたちですから、やってみないとわからないのは確かですが、子どもの「嫌がり度」も良く見て、正しい判断をしてあげたいところです。
■結果を気にする子どもたち
小学生以上になると、あらゆる分野に「結果」がついて回るようになってきます。
10問しかない漢字の小テストなどでも、「点数」という「結果」がハッキリ数字として出てくるようになります。
走ったら、タイムが数字で「結果」として出てきます。
縄跳びを跳べば、回数が「結果」として出てきます。
各学期の終わりには、成績表に「結果」が表記されます。
親にとっても、「結果」は大変わかりやすく、ついつい「結果」について言及しがちです。
「90点!!すごいじゃん!」
「38点!?だから勉強しなさいって言ったじゃない」などなど。
「結果」を褒められた子どもたちは、また褒められたいために、「結果」にこだわるようになります。
極端なことを言えば、どんな手を使ってでも、「結果」を出すことが重要と考えるようになります。
自分を認めてもらうために。褒めてもらうために。
「結果」に振り回される子になると、「結果」が出なかったときに「自分はダメな子どもだ」などと、自己評価が必要以上に下がることになります。
ではどうすればいいのでしょうか。
親が「結果」に振り回されないことです。
「よく頑張っていたもんね」
「この練習すごく頑張っていてすごいなって思ったよ」など
過程を褒めるということを大切にすることで、子どもも「結果」に振り回されることがなくなります。
人間の脳は、「欠けている部分」や「異なる部分」に意識が向く癖があります。
子どもを見るときも、「出来ていないこと」の方が目につきやすいものです。
ですから、親が「いいところ探し」や「頑張っていること探し」を自然に出来るように、日ごろから子どもの小さな成長をしっかり見守る必要があります。
「結果」に寄り添うのではなく、「子ども自身」に寄り添うことが大切です。
■結果がなかなか出ない時
「結果」に振り回されない、ということと、結果を出すことを目標とすることは、別の問題です。
例えば、陸上競技で県大会に出るために、予選で○位以内に入る、とか、英検合格のために○○点以上取る、とか。
小さい時の、逆上がりができるようになる、というのも同じです。
こういった目標の結果がなかなか出ない時に、親には何が出来るでしょうか。
✕これは避けたい!!その①
なかなか結果が出ない時だからこそ、避けたいことがあります。
それは…「結果を出すべく必死にサポートする」です。
子どもが結果を出すために、親が必死になればなるほど、「結果を出さなかったら自分は認めてもらえない」「結果を出さなかったら、自分は愛されない」などと考えてしまう可能性があるのです。
ついつい熱くなって「どうして出来ないの!?」なんて怒ってしまったらもう最悪です。
「結果を出せない自分はダメな子なんだ」と、どんどん自己肯定感が低くなっていってしまいます。
✕これは避けたい!!その②
もうひとつは…「他人のせいにする」です。
例えば、監督のせいで試合に出してもらえなかった、とか、あの子のパスが悪いから活躍できなかった、とか。先生の教え方が悪いからテストの点数が悪かった、とか。
結果が出ない理由を他人のせいにすると、その場しのぎで子ども自身も親も楽になるかもしれませんが、一生他人のせいにして何もかもうまくいかない人になってしまう可能性があります。
〇出来ること
結果が出ない時は、子どもも「やる気」を保ち続けることが難しくなります。
ここまで頑張ってきた過程を褒め、乗り越えられる力を持っているということを伝えましょう。
頑張りを誰かが分かってくれているということは、大きな力になります。
また、子どもにとって親は、最も安心できる安全基地です。
結果に関わらず、自分を愛してくれる、自分の存在を大切にしてくれるということを感じることが出来ていれば、自分のことを過小評価することなく、チャレンジを続けられます。
心の安全が保たれるように、子どもの話は最後まで聞いてください。
そして、日ごろから、結果ではなく、過程を褒めましょう。
■自己同一化に注意!
結果が出なくて苦しい思いをしているのは、子ども自身です。
親がイライラしたり、ムキになっても、子どもにいい影響はありません。
子どもの結果が出ない時に、子ども自身よりも親の方が上手くいかないことにイライラしたり、なんとか結果を出そうと必死になるとしたら、おそらく親の心の在り方に問題があります。
無意識のうちに、「子どもの結果=親の結果」になってしまっている可能性があるのです。
子どものために、と必死になっているつもりで、実は親である自分自身のために必死になっていた、ということが実際に起こり得るのです。
そうなってしまうと、子どもが結果を出せるように親としてどうサポートしたらいいかを考えていたはずなのに、「どうしたら結果を出せるか」を子どもの立場で考えてしまうことになります。
子どもが考えて乗り越えていく機会を親が奪ってしまったら、貴重な成長機会を子どもは失うことになります。
親が子どもを同一化することなく、客観的な目で子どもを見守ることが大切です。
親と子どもは、別の人間です。
それぞれ別の人生を歩んでいます。
もし子どもの結果が出ない時に、必要以上に必死になっている自分に気付いたら、自分自身を客観視してみてください。
■最後に
もしも、子どもが結果出ない時に、親としてどのように寄り添ったらいいのかわからなくなったときは、ぜひ一度ご相談ください。
親の笑顔は子どもを元気にします。
子どもが望む結果を手に入れられるように、心の環境を整えてあげましょう!
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