スポーツメンタルコーチ、増田 良子のブログ
他人の子と比較したくないのに比較してしまう親御さんへ
同じ競技をする他人の子との差が気になってしまう時

同じ競技をしている他人の子が、自分の子よりも活躍していたり、実績を残していたりする時に、ついつい無意識のうちに比べてしまっていることはありませんか?もちろん頭では比べてはいけないことはわかっているのに。おそらくこれは、ほとんどの親が経験していることだと思います。

■他人の子と比べてしまう親の心理

情報があふれている現代、子どもが赤ちゃんの頃から、この月齢では何ができるといった情報が多いだけでなく、同じ月齢の他人の子が自分の子よりも先に座った、立った、歩いたなどの個人的な情報も多く目にすることができます。そんな中で、「うちの子はまだできない」という時に、「不安」を感じてしまう親が大変多いです。

親は初めから親だったのではなく、子どもが出来て初めて親になっています。つまり、子育て中に出会うことは初めてのことだらけです。自分の子育てが正解なのかどうかわからないから、誰かと比較して確認したい気持ちが働きます。しかし結果的に、他人の子と比較することで得られるのは、出来ている子との比較からの「不安」と、出来ていない子との比較からの「安心」です。

子どもがスポーツを始めるようになると、その競技における勝敗や優劣がはっきり見える状況になります。始める理由は、親が勧める場合もあるでしょうし、友達などの影響で自分から「やりたい」とお願いしてくる場合もあるでしょう。いずれにせよ、親は誰だって、自分の子がスポーツを始めたなら、頑張ってもらいたいと思っているし、自分の子に勝って欲しいと思っているものです。「負けろ!!!」って思いながらスポーツ始めさせる親はなかなかいないと思います。

そこで気になってくるのが「他人の子」です。

例えば、自分の子どもがスターティングメンバーに選ばれていない時に選ばれている子たちのことや、自分の子どもより速く走れる子、自分の子どもよりも結果が出している子など。

「なんであの子が選ばれて自分の子が選ばれないのか」「なんであの子よりうちの子の方が頑張っているのに」そんな思いが込み上げてきてしまう親も多いはずです。

では、なぜそのような気持ちが湧いてきてしまうのでしょうか。

その背景には、親自身に問題があることがほとんどです。

・親が子どもの「現在地」を把握していない場合

子どもへの期待はどんな親も持っているものですし、持っていて欲しいと思います。ですが、過度な期待は親子どちらも苦しむことになります。ここで重要になることが、子どもが今どんなレベルにいるのかを客観的にみて把握できているかということになります。つまり子ども自身の「現在地」の把握です。現在地が分かっていなければ、目的地を決めることは本来であればできないはずです。我が子の現在地を把握せずに期待して思い悩むのは、本当に無駄なことです。また、子どもにとっても自分の実力以上のことを常に求められるのは、辛いものです。たとえ親が言葉にしてそれを伝えてなかったとしても、親の想いは子どもに伝わっています。ぜひ、現在地の把握をすることから始めていただけたらと思います。

・親が「子どもの評価=自分の評価」と思っている場合

実はこれは無意識にそう考えてしまっている親が多くいます。今これを読んでいただいていたとしても、自分がそういう風に考えたことがあるということに、気付けない場合もあります。「考える」というより、「感じる」の方が分かりやすいかもしれません。
子どもが褒められると自分が褒められているように感じ、子どもがよそで注意を受けたり叱られたりすると、自分が否定されたかのように感じてしまったりする人もいます。親と子どもは完全に別の人間であるということをしっかりと認識し、子どもの評価と自分自身を切り離すことが大切です。

・親が「こうでないとダメだ」と思い込んでいる場合

私自身、こんな経験があります。息子と同じスポーツをしているメンバーの中で、「これやりたい人!」や「もう1試合でたい人!」というような問いかけがコーチからあった時に、いつも「ハイ!はい!ハイ!」と出て行く子が数人いて、その子達が他の子達よりいろいろやらせてもらえているという状況がありました。私は、自分自身がどちらかというと、何事においても「ハイ!やる!!」と言うタイプだったので、何も言わずに黙っている息子に、「なんであの子たちみたいに、ちゃんとやりたいって言わないんだろう」と感じていました。ですが、これは完全に私の思い込みでした。「俺が!オレが!」と主張してまでやりたいとは、息子は思っていなかったのです。当時の私の中には、やれることはなんでもやらなきゃもったいないし、何でも自分から「やりたいやりたい!」と手を挙げる方が良いことだという思い込みがあったのです。息子は、やりたい時にはやりたいと言うけれど、やりたいと思わないものはやらなくて良いと自分で判断していました。

親自身の過去の経験から、「スターティングメンバーじゃないとダメだ」とか「かけっこでは1番じゃないと格好悪い」などの思い込みがある場合があります。たとえ、ベンチメンバーでも、いいタイミングで交代し活躍する選手もいますし、ベンチ入りできなくてもチームにとって欠かせない選手もいます。かけっこでビリでも、親も気付いていない「何か」で秀でているものがあるかもしれません。親が自分の価値観で「こうあるべき」と思い込んでいるものを子どもに無意識のうちに求めていることは日常の中にも多々あります。親自身がどうしてそう思ってしまうのかということに気付ける機会があると、子ども自身のありのままの姿を受け入れることが出来るでしょう。

■他人の子が気になるときにして欲しいこと

他人の子が気になるときは、自分の子よりも他人の子に目が行っています。本当に我が子に強くなって欲しい、頑張ってほしいと願っているのであれば、我が子の成長に目を向けて欲しいです。つまり、「他人の子が気になっているときほど、我が子自身の成長に目を向ける」ということです。先に記した通り、たとえ言葉に出していなかったとしても、子どもは誰かと比べられていることや、今の結果に納得いってないだろうという、親の雰囲気などを察知しています。

子どもは自分自身の小さな成長には自分で気付くことは出来ません。ですから、ぜひ、昨日の我が子より成長できたこと、1週間前より出来るようになっていることなどを見つけて、良くなっていることを伝えてください。一番信頼している親から、小さい成長を褒められたらやる気も増します。比較対象は常に、「その子がどれくらい成長したか」です。周りの誰かと比べて良いか悪いか、そんなことには何の意味もありません。

また、そんなときは、親が子どもの人生に自分の人生を重ねて見てしまっている可能性がります。自分が幸せだと感じることが子どもにとっても幸せであり、いつの間にか子どもの意志を無視して、自分の願望だけになってしまっているなんてことは、実は少なくありません。他人の子が気になるときにはまず自分の子に目を向ける、さらに自分の子よりも親が親自身に目を向けることが大変重要になります。親である自分自身が今何を目標に生きているか、何に幸せと感じているか、何が足りないと思っているか、そういうことに目を向ける機会が来たと思っていただけたら、親子どちらにとっても幸せな機会になるかもしれません。

親が自分の人生をしっかり見据えることが親にとっても子どもにとっても大切です。

頭では理解できても心がついていかない時や、自分自身の人生を考えるためにどうしたらいいかわからないようなときは、ぜひ気軽にコーチングを受けにいらしてください。笑顔を増やすお手伝いが出来ることを楽しみにしております。

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