スポーツメンタルコーチ、石井 大樹のブログ
絶対的な自信を身に付けたいアスリートへ
ポジティブでパフォーマンス発揮に欠かせないのが「自信」…?
「自信さえあれば…もっと実力を発揮できるのに…」
「自信をつけたい…!自分に自信がない…」
そんな悩みを抱えた経験がありませんか?
- 思い切ったプレーができない
- 1つの失敗が大きな影響を与えてしまう場面で凡ミスをしてしまう
- いつもの自分の力を発揮できない
そんな時こそ、「絶対的な自信が欲しい」と思ったことはありませんか?
「自信」という言葉にポジティブでパワフルなイメージを持つ人が多いと思います。
そんなプラスな印象がある言葉だからこそ、
- 自信を持て!
- 自信がつけばもっと良くなる
このように指導者にアドバイスをされたことがある方もいらっしゃるかと思います。
それくらい「自信」は、
パフォーマンスを発揮する上で重要なものであり、
無くてはならないメンタリティの一つだと多くの方は認識しています。
しかし、本当にそうでしょうか?
本当に自信は無くてはならないものなのでしょうか?
自信を失い、自信に苦しんだ大学アメフト時代
そんな私も、大学時代のアメリカンフットボールをプレーする中で「自信」というものに悩み、苦しんだ経験があります。
「本当に自分の判断はこれで合っているのか?」
「自分が判断を間違えれば、チームにも迷惑がかかる…」
1秒という時間が大きな影響力を持ち、1秒後には全く違う状況になってしまうスポーツの一つがアメリカンフットボールです。
だからこそ、プレー中に判断に迷ってしまう事は致命的でした。
1秒の迷いが、チームの動きを完全にチグハグにしてしまうのです。
ましてや当時、私はディフェンスチームのリーダーであり、チームの副キャプテンを担っていました。
そんな人間がプレー中に迷っていたら、どんな状況が起こると思いますか?
簡単に想像できるように、チームは崩壊します。
ディフェンスのリーダーであり、チームの副キャプテンが迷えば、他の人間にも迷いは生じます。
特に下級生はただでさえテンパってしまいやすいにも関わらず、リーダーが迷うことでより混乱してしまいます。
競技的なことで言えば、リーダーが迷い判断が遅くなることで他のポジションも判断が遅れます。
そうするとそれぞれのポジションが役割が果たせなくなり、チームとして機能しなくなってしまう。
自分の迷いが原因でチームを崩壊させてしまったというプレッシャーや責任の重さは計り知れないものでした。
「自分がディフェンスリーダーでいいのか…」
「自分に副キャプテンが務まるのか…」
「チームに指示を出していけるのか…」
今の自分の実力だけでなく、ディフェンスリーダーであることや副キャプテンであることにも次第にどんどん自信を失っていきました。
それと同時に、
- 自信さえあれば迷うことはないのに…
- 自信を持ってプレーを判断できるようになりたい…
監督やコーチにも、もっと自信を持ってプレーしろ!と何度も何度も、言われました。
「そうか、やっぱり自分に足りないものは自信なんだ」
「自信さえあれば、もっとプレーが良くなるんだ」
そのように思うようになっていきました。
「自信さえあれば上手くいく」という勘違い
「自信さえ身につければ上手くいくんだ」
そのように思うようになっていった私は、自信を持つためには?を考え、ひたすら努力しました。
- 誰よりも練習し
- 誰よりも本気で取り組む
グラウンドには誰よりも早く出ることを意識、グラウンドを出るのも遅く、残って練習。
練習中も常に声を出し、指示を出しました。
とにかく、当時考えつく限りの努力をしまくりました。
しかし、それでも迷いを断ち切ることはできませんでした。
それだけ努力しても試合では判断に迷いました、チームにも迷惑をかけました。
「自信さえ身につけば上手くいく」
と思い込んでいた私にとって、本当にショックで衝撃的でした。
「これだけやってもどうして迷ってしまうのか…」
その結果、チームの雰囲気は悪くなっていき、チーム内での人間関係も悪化していきました。
「こんなに勝ちたいと思って努力しているのに」
「どうしてこんなに上手くいかないことばかりなんだ」
上手くいかない自分への苛立ちと、自分との温度差を感じるチームへの苛立ちで、私の精神は限界を迎えていました。
しかし、今考えれば「そもそも」が間違っていたのです。
私に本当に必要だったのは「自信」ではなかったんです。
本当に必要だったのは自信ではなく「覚悟」
この気付きを与えてくれたのは一緒にアメフトを始め、
海外挑戦まで果たしたA君という人物でした。
私がアメリカンフットボールに出会ったのは中学2年生の時。
出会いは週刊少年ジャンプという少年雑誌に当時連載されていた「アイシールド21」というアメフト漫画がきっかけでした。
同じ中学から進学先は違うものの、いまだに親友とも言える友人のA君と高校からアメフトにチャレンジすることになりました。
A君は高校時代は県の選抜メンバーに選ばれ、大学をアメフト推薦で進学後、海外でアメフトのプロ選手になりたいと大学2年時に大学をやめ、単身メキシコに渡った経験を持ちます。
当時、大学4年だった私はメキシコにいるA君にいつも相談をしていました。
自分も大変なのにいつも私の相談を真剣に聞いてくれました。
そんな優しいA君に私は密かに「負い目」を感じていました。
「同じタイミングでアメフトを始めたのにこんなに差がついてしまった」
「A君と自分では何が違うのか?」
同時に、純粋に「どうして海外に飛び出せたのか?」と疑問になりました。
本当に心が挫けてしまいそうだった私はA君に疑問を投げかけました。
「どうしてプロを目指してメキシコに単身渡ろうと思ったの?」
「“メキシコで活躍する自信”はあったの?」
A君は言いました。
「自信なんてあるわけないじゃん」
私の頭の中ではクエスチョンマークが溢れ返ってました。
自信がないのに、どうしてこんな行動を起こせるんだよと。
この言葉を聞いたときは完全に理解が追いつきませんでした。
しかし、そのあとの言葉であることに気付くことになります。
「やってもないうちから自信はつかないと思う」
「ただ今やらなきゃ後悔すると思った」
「人生って1回きりだから」
その言葉で、
「俺、自分の気持ちから逃げてたな…」
「そうか、自分に足りなかったのは自信じゃない、“覚悟”だったんだ」
“自分の気持ちや行動に責任を持つ覚悟”だったんだと気付くことができました。
当時の私は努力することで、自分の気持ちから逃げていました。
努力を“逃げるための言い訳”にしてしまっていたんです。
自分の気持ちに責任を持ち、覚悟をする
今まで逃げてきた自分の気持ちと向き合うことを覚悟した私は、
- 副キャプテンという立場
- ディフェンスリーダーという役割
- 毎プレーの自分の選択に覚悟を持つこと
今まで逃げてきた立場や気持ちに責任を持つ覚悟を決めようと思えました。
今までは、「自信がない」という言葉を言い訳に自分の立場や気持ちから逃げていました。
努力を盾にして、向き合うことを避けていました。
プレーに迷うのも、自分の選択に覚悟がなかったから。
チームに迷惑をかけることが怖かったのも、自分の立場に覚悟が決まってなかったから。
覚悟を持てていなかったからこそ、土壇場で急に不安に駆られてしまっていました。
昔ながらの言葉で言えば、腹をくくれていなかったのです。
そこからは、
- プレー中の選択に覚悟を持てるようになるために相手の研究
- 自分という存在がチームにどんな影響を与えるのかを考え抜くこと
そういった工夫をしていけるようになり、
その結果、プレーや判断に迷いがあった自分は、
気付くと「思い切りの良い選手」だと言われるようになっていました。
他大学の選手や監督にも、一目を置いて頂けるようにまで成長することができました。
絶対的な自信」ではなく「自分の気持ちに覚悟」を決める
「絶対的な自信」を手に入れたいと思う気持ちはとてもよくわかります。
ですが、“絶対がないのがスポーツ”です。
この世に“100%”と言い切ることができることの方が少ない。
ましてや、スポーツは相手がいて初めて成り立ちます。
だからこそ、絶対的な自信よりも「自分の気持ちに覚悟を決めること」
みなさんは今、どんな気持ちを抱えていますか?
どんな風になっていきたいですか?
その心からの気持ちに覚悟を持つこと。
自信を最初から持っている人の方が稀です。
だからこそ、自分の気持ちに覚悟を決めてほしいのです。
覚悟が決まるからこそ、やることが明確になる。
覚悟が決まるからこそ、自分の気持ちに心から素直になれる。
自分の気持ちに覚悟を決めることができたら、これからの皆さんにどんな素晴らしい変化が起こるでしょうか?
冒頭でもお伝えしたように、私自身が自信に対する悩みを抱えていた経験があるからこそ、同じように悩むアスリートの皆さんに少しでも力になりたいと思っています。
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