スポーツメンタルコーチ、石井 大樹のブログ
調子の波をなくし
持っている力を最大限発揮したいアスリートへ
一流と“超一流”の違いって何だと思いますか?
みなさんは、一流と“超一流”との違いについて、考えたことはありますか?
この問いに明確な答えがあるわけではありません。
しかし、本当に目標を達成したいのなら、ぜひ考えてみてほしい問いです。
ちなみに私は現役時代に、こんなことを考えもしなかったです。
・常に目の前のことだけで精一杯
・常に言葉にならないようなものに追われている感覚
こういったことから、一流と“超一流”の違いに目を向けたことも、考えたこともありませんでした。
そんな私は高校~社会人までプレーしたアメリカンフットボールを非常に平凡な選手として、競技を引退しました。
当時はまだ20代前半だったこともあり、本当に競技を続けるかどうか、ギリギリまで悩みました。
「努力して強いチーム、良い指導者に巡り会えれば、自分も成長できるんじゃないか?」
大学時代は決して恵まれた環境とは言えなかったからこそ、このように感じていました。
だからこそ、今自分の8年間の競技人生を振り返ってみると
「平凡にふさわしい選手だったな」
そのように思います。
平凡にふさわしい考え方、行動、結果でした。
目の前のことに精一杯になってしまい、本当に達成したい、描きたい目標を見失ってしまっていました。
過去の私とは対照的に、
常にトップレベルを目指して活躍している選手はしっかりと進みたい道を見据えています。
・その競技で一流の選手とは?
・一流から“超一流”になるためには?
常にこうして考え抜いているからこそ、そこにふさわしいスキルやフィジカル、メンタルが身についていくのだろうと感じています。
ここで最初に、
一流と“超一流”の違いについて、私としての答えをお伝えすると、
「活躍できるのが一流」
「活躍し続けるのが“超一流”」
このように伝えています。
活躍するのと、“活躍し続ける”のとでは言葉以上に大きな違いがあります。
では、“活躍し続ける”とは一体どういうことなのでしょうか?
現在、スポーツメンタルコーチとしてプロアスリートと接する中で、
活躍し続けている選手ほど、安定感があるなと感じています。
いわゆる、「調子の波が少ない」という状態です。
・コンディションがあまりよくない
・疲労感が残っている
・よく眠れなかった
こういった中でも結果を求められるのがプロフェッショナルです。
その中で、やはり活躍し続ける選手はどんな時も安定して高いパフォーマンスを発揮しています。
私が実際にサポートしていたとある競技でプロとして活動するA選手の話です。
そのA選手はかなり冷静沈着なタイプの選手で、
調子の波や感情に振り回されず、いつも安定して高いパフォーマンスを発揮していました。
実はチーム内にはそのA選手よりも、
爆発力があり、かなりオフェンシブな選手が複数います。
その爆発力は国内屈指のものです。
自分より爆発力のある選手がチーム内にいる中でも、
そのA選手が活躍し続けられたのはやはり「調子の波が少なかったこと」にあります。
A選手の凄さは、「1回の大きな活躍」ではなく、
「毎試合、小さな活躍を必ず重ねる」という点なのです。
決して大活躍とは言えない、しかし、
毎試合必ずチームの勝利に貢献するパフォーマンスを欠かさずに発揮していました。
特に、プロの世界でのチームスポーツはトーナメント形式よりも、
リーグ形式が採用されていることが多いです。
それはつまり、
「1回の大活躍」よりも「小さくとも活躍し続ける」ことが必要であることを意味しています。
その選手の活躍もあり、昨シーズンは絶対王者と言われるチームにシーズン中、
唯一黒星をつけ、リーグ2位という成績を残しました。
A選手の小さな活躍の連続がチームメンバーの良さを引き出し、
チームの力を底上げし、今回の結果に至ったと言っても過言ではありません。
それほどに、
「調子の波が少ない」
ということが、
個人単位、チーム単位でもパフォーマンスに深く関係してくるのです
調子の波に苦しみ感情をコントロールできなかった大学アメフトでの経験
かくいう私も、8年間のアメリカンフットボール人生の中で「調子の波」に悩んだ経験があります。
「昨日はできたことが今日はできない…」
「できる時とできない時の差が極端に激しい…」
大学でプレーしていた時、大学3年生の秋まではこのような悩みを常に抱えていました。
周りのチームメイトからも、
「今日は調子が良い日だな」
「今日はどっちかなぁ~(調子が良いか悪いか)」
そんな風にからかわれていました。
その中でも、練習後・試合後のミーティングでのビデオチェックの時間は本当に苦しかったです。
・できていたはずのことができていない現実を目の当たりにする
・できるはずのことを注意される
いつもならできるのに…という悔しさ、
できることができていない現実を受け入れたくない気持ち…
できることを注意される苛立ち…
そんな日々を繰り返すうちに、気付くと周りからは「気分屋」のレッテルを貼られていました。
・今日、機嫌悪い日じゃん…
・今日は機嫌良い日だな
・気分屋だから本当困るわ
そんなことを影で言われるようになっていました。
大学3年の当時、私はポジションリーダーとして、自分のポジションのメンバーをまとめる役割を担っていました。
そんな役割の人間が、周りのメンバーから疎まれるようになると、どうなるか?
同じポジションであるメンバーは誰も私の話を聞かなくなりました。
ディフェンスに属する私のLB(ラインバッカー)というポジションは、ディフェンス全体をまとめるディフェンスリーダーの指示を受けます。
そのディフェンスリーダーの指示をさらに、ポジションのメンバーに落とし込んでいくのが当時の私の役目でした。
しかし誰も私の話を聞くことはなく、仕切る人間が存在感をなくしたからか、
同じポジションのメンバーたちはどんどん練習に対しておざなりになっていきました。
その結果、気分屋だと疎まれていた私はさらに感情のコントロールができなくなり、
気付けばいつも怒っていたと思います。
それこそ、気分屋そのものです。
しかし、当時の私は驚くほど自分が見えていませんでした。
周りから見れば、恐ろしいほどその日によって明らかに気分が違うのにも関わらず、
自分は常に至って冷静だと思い込んでいたのです。
どんどんチームメイトとの溝は深まっていくばかりで、
最終的には、ポジションのメンバーたちに練習をボイコットされました。
そんな状況で、安定したパフォーマンスなんて発揮できるはずもなく、
練習でも良いプレーが出たかと思えば、とんでもないミスをしたり。
当時の話を後輩に聞くと、
「怒ったり、笑ったり、また怒ったり、感情の揺れ幅が大きすぎて怖かった」
そう言われたこともあります。
調子の波だけでなく、気付くと感情までコントロールできなくなっていました。
「準備の段階で勝敗の5割が決まる」この言葉との出会い
・調子に波がある
・その影響から感情もコントロールできない
そんな状態の私は、チームメンバーとも上手くいかないという最悪の状況でした。
しかし、そんな中で「ある言葉」と偶然出会います。
当時のヘッドコーチから、
「もっとアメフトを知りなさい」
と言われ、言われるがままにとりあえずインターネットでアメフトについて調べていた中で、その言葉と出会いました。
「準備の段階で勝敗の5割が決まる」
これは日本の学生リーグで史上最多優勝の記録を持っている、関西学院大学ファイターズの鳥内元監督の言葉です。
この言葉を見たときに心から驚きました。
「準備の段階で勝敗の半分が決まってしまうのか?」と。
それと同時に、
・試合のための準備はしっかりできていたか?
・練習のための準備は?
考えれば考えるほど、今まで自分がどれだけ準備をおざなりにしてきたかに気付かされました。
調子の波が起こるのも、
・グラウンドに出る時間がバラバラだったり
・その影響でウォーミングアップが万全でなかったり
・練習で使うサインを確認する時間がなかったり
・前日のミーティングでの振り返りをしていなかったり
自分は勝負を前にして、勝つチャンスを半分も捨ててしまっていたことに気付きました。
“徹底した準備”が調子の波を最小限にする
本当に今まで目を背けていた自分の準備不足をしっかりと理解できてからは、
やることは本当にシンプルでした。
「とにかく準備を徹底すること」
もうこれだけやったんだから仕方ないと思えるまで、準備をすることに振り切りました。
自分の、そしてチームの目標を一つずつ分解していくことで、どんな準備が必要なのかを洗い出していきました。
今までの私は、
「良いときは良い、悪い時は仕方ない」
そんな風に悪い方向に楽観視していました。
今考えてみれば、それは良い状態がいつ来るかも読めないギャンブルと同じです。
そんなものに頼ってしまえば、それは感情も荒れてしまい、コントロールができなくなるのは当然です。
そんな自分を改めていった結果、チームは上位リーグの入れ替え戦に出場することができました。
入れ替え戦に勝利し、昇格こそ叶いませんでしたが、
私はスターティングメンバーとして試合に出場し、調子を崩すことなく持っている力を発揮することができるようになっていました。
いかに納得できる準備を行えたか?
調子の波に振り回されてしまうことは、確かに精神的に非常に苦しいです。
調子が悪い時がちょうど、大切な試合や力を発揮したいときに被ってしまうとなお、
悔しく辛い気持ちになります。
ですが、そこで一度振り返ってみてほしいのです。
「もうやり切ったと納得できる準備はできたか?」と。
スポーツには勝敗がつきものです。
誰かが勝てば、それは誰かが負けるということであり、
誰かが負ければ、それは誰かが勝ったということです。
つまり、相手がいる限り結果の保証はどこにもありません。
だからこそ、準備の段階で
「勝負はすでに始まっている」
と、そう思うことができたらどんな準備ができるでしょうか?
スポーツには必ず勝敗がついて回るからこそ、
負けたときにこそ、いかにやり切れたかを大事にしてほしいのです。
勝ったときに嬉しいのは当たり前です。
しかし、負けたときにこそ「自分の準備はどうだったか?」と考えてみてほしいのです。
その振り返りが必ず、自分の今後の成長に繋がっています。
私は、その成長を横で見守りながら、アスリートを目標まで導く、ともに走るガイドランナーのような存在でありたいと思っています。
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